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レイトン教授シリーズ支援の第一人者(自称)をやっているインターネットお絵描きマンです。他、性差における格差社会に苦しむ日本の女性達を救う活動に関わっています。メンタリティの向上、癒やしをテーマにした記事も制作します。

【レイトン教授】レベルファイブ作品が世界中で売れている理由とは?

レベルファイブは今でこそ初週で128万本の販売数を誇る「妖怪ウォッチ2」をリリースしてるような旬を生きるゲーム会社ですが、初のパブリッシャー作品となる「レイトン教授と不思議な町」の初週販売数は12万本でした。

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これが全世界でシリーズ累計1,600万本を突破するほどの超人気シリーズとなるわけですが、日野氏の販売手法を見ていると、「なるほどなあ」と学ぶところが多くあると思います。

 

1.既存の販売モデルに乗る

要するにパクリ商法です。

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アニメ妖怪ウォッチでも、その”何かを彷彿とさせるネタ”のオンパレードで、常に視聴者をヒヤヒヤとさせていますが、人は「君の好きな物に似せてあるよ」と言われると、気になって仕方がない生き物です。本革じゃないのに「本革風」って言われるだけで、ちょっといいもの買ったような気になるようなアレです。有名作品のパロネタや、人気のある作品の二次創作ばかりがRTされる理由に似ています。

更に「既に売れているモデルがあるもの」というのは、既存作品をまったく知らない世代にも受け入れられる可能性が非常に高いです。「使い古されたネタこそ最高」と言う声が大きいことも納得です。

ちなみにオマージュ作品のオンパレードである妖怪ウォッチの元ネタは、主に日本の40代男性がターゲットにされているので、海外ではイマイチ人気を博しておりません。それでも3までで累計1000万本を突破しているっていうからコワイ。

 

レイトン教授がまずモデルにしたものは、多湖輝氏著作の「頭の体操」でした。

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若い世代にはピンと来ないかもしれませんが、日野氏の世代ではちょっとしたブームになったくらいで、「頭の体操」と言えば大体の人間に通じます。累計1200万部を超えているので当然と言ったら当然です。

 

更に世間では脳トレブーム」が巻き起こっていた頃でした。

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DSと言えばゲームボーイよりもお高めで、直感的で、「オトナの娯楽用品」といった位置付けであり、当時は「大人の常識検定」とか「英語トレーニング」なんかがバカ売れしていたものでした。今でいうところのスマホタブレットなんかの位置付けに近いかもしれません。

そこに据え置き機級のアニメーションとストーリーが加えられたというのだから、人々が食いつかないわけがありません。折しもコンピューターグラフィック技術が過渡期を迎え、「ゲームは開発費用を投じてグラフィックを美しくしなければ売れない」と言われていた時期でした。そこに地元福岡市のアニメーション会社P.A.Worksと結託して、安価で美しいアニメーションを大量配信されたもんですから、他企業が敵う訳がありません。

キャラクターもカンヌ国際映画賞等を受賞しているフランスの短編アニメーションベルヴィル・ランデブーを模したデザインを起用し、既にウケている作品をどんどんと取り入れていってるわけですから、外れる方がおかしいのではないでしょうか。

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次々と怪事件を解決する探偵と助手と言えばシャーロック・ホームズジョン・ワトソンを連想させますし、冒険しながら古代文明のナゾを解く考古学者と言えばインディ・ジョーンズを想起させます。レイトン教授には、発売前から売れるだけの理由が、既に整えられていたというわけです。

 

2.スピード勝負

しかしいくら既存の商品を模倣したからといって、爆発的な人気を博すほどには至りません。多くの人々が、既存商法に乗っ取った類似製品が、塵芥のごとく消え去っていく様を幾度となく目にしていると思います。

レイトン教授シリーズの中々真似できない商法は、そのスピードにありました。

不思議な町がブレイクしたわずか10ヶ月後には、2作目である「悪魔の箱」が、その1年後には「最後の時間旅行」が発売されます。そのキャラクター性を生かした大泉洋氏のTV CMもガンガン流されました。

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日野氏は「1年で3作の発売を目標にしていたが、さすがに無理だった」と後に語りますが、2年で3作も割とムチャクチャです。

レベルファイブ開発陣内は死屍累々と化していたとの噂もまことしやかに流れておりますが、真偽のほどは不明です。

人は「自分で良いと判断した物を継続して購入する」という習性を、これ以上ないまでに利用した販売周期であったと思います。これは中々他企業が真似できるスピードではないのではないでしょうか。

 

3.ターゲットを明確にする

これはもう経済や営業をやっている方には当たり前のようなものだと思うのですが、レイトン教授シリーズは、今まで「子供」や「男性」をメインターゲットにしてきたゲーム業界の中で、敢えて「普段ゲームに親しみがない女性」をターゲットにし、cancamにも広告を出してきました。

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こんなキャッチコピー聞いたことない。

 

ゲーム難易度も「スタッフのお母さんがクリアできるレベル」を目指して調整してきたそうです。なるほど、全てをコンプリートしようとするとそれなりの難易度を保っていますが、トーリーを楽しむ分には、サクッとクリアできるようになっています。

キャラクターボイス大沢たかお小栗旬を起用して話題性を誘ったり、メインストーリーも壮大な悲恋をテーマにしたり等、今までターゲットから外されてきた層をガッツリ取り込むことで、一気に市場を拡大したのでした。

 

4.結局は日野氏のクリエイター力がものを言う

ここまでは結構、一定レベルの力量ある企業であれば、どこでも取り入れることができそうな手法であると思いますが、レベルファイブのパワーというのは、取締役代表日野晃博氏その人の経営力とクリエイター力の二輪で成り立っていると思います。

上記の経営手法に加えて、人を惹きつけるミステリーの基本や、キャラクターに好感を持たせる小ネタ、やり込み要素を持ったシステムなど、バランス感覚が非常に優れていると感じます。これは全て日野社長自身が、「自分が過去面白いと思ってきた感性を最も重要視する」という独自のセンスとスタイルがなしえるものであり、他者がおいそれと追随できるものではないのではないでしょうか。

【インタビュー】日野晃博が明かす、少年時代のルーツとレベルファイブの見据える未来 | インサイド

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ご存知の方も多いと思いますが、この10年で急成長したレベルファイブは、上場企業であり、株式を購入することができません。ゆえに何者にも縛られることなく個人の独断で突き進む日野社長は、誰にも止められることができないのです

 

私はそんな彼の邁進する姿をいつまでも眺めていたいと思うし、あと「日野寝て」と思わずにはいられないのでした。

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